人について 09.Maison romi-unie店長 みなちゃん

人について 09.Maison romi-unie店長 みなちゃん

第9回目はMaison romi-unie店長 みなちゃんついてお届けします。

romi-unieにはどんな仕事があって、どんなスタッフがどんな思いで働いているのか、お店の裏側にあるスタッフと働き方のお話です。romi-unieはほぼ100%女子という会社でもあるので、仕事を始めたばかりのスタッフからベテランまでいろんな立場での働き方もご紹介できたらと思っています。

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みなちゃんとは

Maison romi-unieの店長。奈良県生まれ。学生時代から京都在住となり、名曲喫茶でウェイトレスのアルバイトや、300年を超える老舗のお香屋さんと唐紙(からかみ)屋さんの販売スタッフとして20代を過ごしました。鎌倉旅行中にRomi-Unie Confitureで購入した、いちごとミント、黒こしょうのジャム「コント・ド・プランタン」に衝撃を受け、転職を決意。鎌倉勤務5年を経て、Maison romi-unieへ。入社14年のベテラン販売スタッフです。

「コント・ド・プランタン」との出会い

学生時代からお茶を習っていたので、和菓子とチョコレートくらいは食べていましたが、積極的に甘いものを食べるほうではなかったですね。むしろお酒のほうが好き。お菓子を食べるようになったのはromi-unieに入ってからです。

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京都で働いていたころ、旅行で初めて鎌倉のRomi-Unie Confitureへ行きました。そのとき、「コント・ド・プランタン」を見つけて、いちごにミントと黒こしょうの組み合わせがお洒落だなー、チーズと合わせたら素敵かな、と思って買って帰りました。

食べたら、そのおいしさに衝撃を受けまして、お店のことを調べると、販売の求人が出ていたので応募しました。そのときの求人は、東京のお店のオープンに合わせたスタッフの募集で、上京して面接を受けたとき、どうせ関西から引っ越してくるなら、鎌倉はどうですか、と提案されたんです。東京に比べれば、京都に環境も近いので、私にはちょうどいいかもと思って、最初は鎌倉の店に入ることになりました。

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販売の経験はそれまでにもありましたが、食品ではなかったので、賞味期限のあるところは大きく違うところでした。それでも共通するところはあって、お香も唐紙もromi-unieのジャムのように、種類や組み合わせがいっぱいあるんです。

たとえば、お香だと300種類ほどあるなかから、お客さまの好きな香りを探すお手伝いをしたり、ときには、お客さまが持ってこられた小さな燃えさしを嗅いで、同じものを見つけるといったこともやっていました。唐紙のほうは、紙に押す文様が何百種類とあるだけでなく、紙の地色と模様の色で幾通りも組み合わせが可能なので、たくさんあるなかから、選ぶお手伝いをするという点では同じだなと思います。

仕事がだんだん面白くなってきた時期

Maison romi-unie

鎌倉に5年勤務したあと、2013年からはずっと東京です。メゾンに来たとき、男性のお客様の多さに驚きました。リピートの方も多いですね。ご自分用に買ってくださっていた方が、結婚式の引き出物や、赤ちゃんが生まれたとき、お子さんの名前を入れて内祝いとして贈り物に使ってくださったり、お客さまの節目に立ち会うことも増えてきました。

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メゾンに移った当時は、仕事がだんだん面白くなってきた時期でもありました。いま、アトリエさんへの製造発注は、週単位でまとめて行っているのですが、これができるようになったのはクッキーの個包装を始めてからです。メゾンに移ったばかりのころは、毎日減った分を、販売スタッフがアトリエさんに発注するという形をとっていました。必要な量だけをこまめに補充するのは丁寧なことではあるのですが、製造スタッフは種類や数がバラバラでつくるのも大変ですし、販売も管理に頭を悩ませる割には、売上につながらず、悶々としていました。

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どうしたら作業性を上げられるかみんなで話し合ううちに、その週に売りたいものをある程度予測してまとめてつくって、個包装にしてストックするのはどうだろうという話になりました。やってみると、アトリエさんの製造効率がものすごく上がって、販売スタッフは在庫管理が格段にやりやすくなりました。商品の動きもよくなって、売上が伸び始めたのもこの頃です。

店長が抱えるプレッシャー

Maison romi-unie

販売を長年やっていますが、お店が暇だとつまらないですよね。忙しくて売上があったほうが、働いていて楽しいですし、みんなの気持ちも上がります。アトリエさんが頑張ってつくってくれた商品は無駄にしたくないので、ちゃんと売り切ることが販売の役割になります。その意味で、製造計画はとても大事です。

特に、クリスマスやバレンタインデー、ホワイトデーは、販売期限があるなかで、ふだんの何倍も在庫を持つことになるので、毎年怯えながら数を決めています。商品が途中で足りなくなることも避けたいので、発注の数をどうするかは、ギリギリまで悩みます。ぴったり売りきったときは気持ちいいですが、商品が足りなくなったときは、もっと用意しておけばよかったと悔やむこともよくあります。

焼菓子は賞味期限がありますし、ジャムは季節感もあるので、ふだんは自分が推したい商品も含め、どれくらい売れるかを予測しながら発注数を決めています。個人的に好きな季節のジャムは、来年もたくさんつくってもらえるように、販売にも力が入りますね。この夏の推しは桃とミントと白ワインの「テラス」でした。「コント・ド・プランタン」は毎年1月ごろ登場する冬の商品です。3月にはなくなるので、気づいたときに買っておかないとあっという間に終わっちゃう商品です。

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お菓子はギフト需要も大きいので、パッケージはとても大切です。家の形をしたボックスはずっと人気で、食べたあとお子さんがおもちゃの小物を片付けるのに使ったり、屋根に色を塗ってずっととっているという話も聞きます。会社のデスクに飾っているという方もいらっしゃいました。ちょっととっておきたくなるんですよね。

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クリスマスのサブレ缶も毎年楽しみにしてくださっている方が多くて、これもつくってよかったなと思う商品です。毎年、絵柄が変わって、今年は安野モヨコさんが描いてくださいました。ジャムの瓶は食べたあと、調味料やお漬物、味噌などをおすそ分けするのに、多すぎず少なすぎず、迷惑にならない量なので、個人的にもめちゃくちゃ活用しています。

何を学び、この先どう働くか

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いま勤務は9~18時です。出社したら、まずスコーンをオーブンに入れるところから始めます。そのあとは掃除をしたり、レジを開けたりと10時まで開店の準備をします。お昼休みは1時間。販売と言ってもわたしは事務仕事のほうが多くて、スタッフのシフトや発注など管理業務がいまは中心です。シフトはとにかくその人のつもりになって考えます。ここらへんで休まないとしんどいだろうな、とか、ご家族と休みを合わせたほうがいいな、とか、みんなが無理なく続けられるスケジュールを組むようにしています。

女性ばかりの職場なので、やっと仕事に慣れて、これからいい感じで回せるかなーと思ったころで結婚、産休に入る、ということも多いです。そのなかで、育休で一度離れても、また復帰してキャリアを続けやすい環境にしていくことや、長く勤めているスタッフがモチベーションを持ち続けられる働き方をどうすればよいかは、ものすごく考えますね。

 

Atelier bis

去年、romi-unieのお菓子教室(現在はお休み中)でフランス菓子コースに参加してダコワーズやタルトづくりに初めて挑戦しました。小学校低学年のころ、シュークリームで大失敗して以来、お菓子づくりは封印していたので、教室で遅れをとらないよう、You Tubeでつくり方をチェックして、自主練してからのぞんだんです。

でもいざ、みんなと一緒につくり始めると、泡立ても時間内にぜんぜん上手くできないんですね。アトリエのみんなは、こんなにたいへんなことを毎日やっているのか……と十数年目にして、初めて気づきました。いまごろ気づくなんて遅い、と怒られそうですが、わたしにとっては働き方を見つめ直す大きなきかっけになってありがたかったです。若いスタッフを育てることも仕事の一つですが、自分にもまだ勉強することがいっぱいあるんだと気づかせてもらえた研修でした。自分もあと10年、20年は働ける年齢なので、何を学んでどう働くか、真剣に考えないといけないなと思っているところです。