人について 14.Maison romi-unie 店長 あけみちゃん

人について 14.Maison romi-unie 店長 あけみちゃん

第14回目は.Maison romi-unie 店長 あけみちゃんについてお届けします。

romi-unieにはどんな仕事があって、どんなスタッフがどんな思いで働いているのか、お店の裏側にあるスタッフと働き方のお話です。romi-unieはほぼ100%女子という会社でもあるので、仕事を始めたばかりのスタッフからベテランまでいろんな立場での働き方もご紹介できたらと思っています。

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あけみちゃんとは

学芸大学「Maison romi-unie(以下メゾン)」店長。横浜市出身。20代前半にカフェブームの洗礼を受け、アパレルの仕事から代官山のカフェへ転職。ホールから始め、その後、スペイン料理に強いカフェやケータリングでは、メニュー考案や調理も担当していました。お菓子に興味を持ってからは、「Fairycake Fair(フェアリーケーキフェア)」で製造と店長を経験。2015年から鎌倉「Romi- Unie Confiture」へ。産休を経て、メゾンの販売スタッフとして復帰し、この5月に店長になりました。

20代前半で食の世界へ転職

幼稚園のころから髪を結うのが好きな子どもで、親によく褒めてもらっていました。髪の毛の仕事=美容師ということで、将来の夢として、幼稚園の卒園文集にも書いた記憶があります。学生の頃、進路を決める際、美容師の道も考えたのですが、決心がつかず、アパレルの会社でまずは働くことにしました。

20代前半は食べ歩きが趣味で、食の世界に興味が湧いてきたのもこの時期です。アパレルの仕事を続けることにだんだん迷いが出てきた頃、代官山のカフェがオープンニングスタッフを募集しているという案内を見て、食の世界へ転職することにしました。
アニヴェルセール

ろみさんのジャムを知ったのは、カフェの仕事を始めてしばらくした20代半ばだったと思います。

鎌倉に「Romi-Unie Confiture」ができたばかりで、友達からジャムをもらったのが最初です。初めて食べたフレーバーは、いちご系の「メルシー」か「アニヴェルセール」だったと思います。見ためも食べた感じも自分の持っていたジャムへのイメージが覆されて、すごいものを知っているな、と教えてくれた友達を尊敬してしまうくらい感動しました。

すぐ、romi-unieに入りたいと意識したわけではなかったのですが、あとから、romi-unieは経験者でないと入れないという噂を耳にして、あの商品をつくるならそうだよなと思ったことを憶えています。

31歳でお菓子だけの世界へ

カフェやケータリングで調理の仕事を続けるうちにお菓子をつくる機会が増えて、料理との違いを感じるようになってから、この道を意識するようになりました。同じタイミングで、「フェアリーケーキフェア」のオープニングスタッフの募集をたまたま見つけ、そこにろみさんがプロデュースすると書いてあったのを見て、「これは!」と一人で勝手に運命を感じたんです。

そのとき私は31歳。お菓子屋さんでの経験はなかったので、ためらったのですが、イチから始めたければ、年齢的にもうギリギリだと思っていました。ここで経験しなかったら、あとですごく後悔するような気がして、やるしかない!と応募しました。いま振り返ると、この時が自分の人生のなかで、一番大きな決断でしたね。

フェアリーには製造で入り、初めてお菓子だけをつくる仕事につきました。立ち上げメンバーということで、当時、中目黒にあったromi-unieのラボで研修を受けたり、ろみさんから上がった新しいお菓子を形にして販売するという流れにすごくやりがいを感じていました。半年後、店長になってからは、販売のほかにも、商品ラインナップを考えたり、年間企画を立てたり、スタッフ教育を担当しました。店舗が増えていくフェーズにあったので、どんどん忙しくなってきて、残業や休日出勤は当たり前。40歳を目前に、このまま同じ働き方を続けられるのか? と自問自答することが増えて、体力的に無理なく、ひとつのところで長く働けるような仕事につきたいと考えるようになりました。

20代から数年ごとに職を変えてきて、全部が経験で身にはなったと思うのですが、長く同じところに勤め続けた人だからできる仕事や役割もあるような気がしたんです。ただ、仕事を続けるにしても、長時間拘束される労働環境では、体力的に限界がくると感じて、辞めることにしました。
ろみさんとは新商品の打ち合わせなどで、月に1、2度、お目にかかっていたので、退職のこともご報告しました。そのあとで、お声をかけていただいたのが、入社のきっかけです。自分の仕事ぶりを8年間、見てきてくださった方なので、声をかけていただけたのは、とても嬉しかったです。

仕事のオンとオフがはっきりしている環境

前職から間を開けずに、鎌倉のお店に入ったこともあって、販売スタッフとして働き始めた当初の印象は、仕事のオンとオフがはっきりしているな、ということでした。

基本、残業はしないという働き方に、本気で戸惑いました。それくらい勤務時間がしっかり区切られていて、有給休暇をとっていないと、ちゃんととるようにと会社のほうから促してくれる。こんな職場があるんだ、と新鮮でした。
ロミユニ コンフィチュール

1年経つか経たないかで、鎌倉の店の移転や自分の妊娠が重なり、移転後は産休に入りました。産休明けの少し前に、身体を慣れさせるため、少しずつ復帰してみては、とろみさんに提案されて、1日4時間のならし復帰から始めました。

その頃、自宅が東京だったので、家から近いお店のほうがいいだろうと、メゾンの販売スタッフとして復職することになりました。
メゾン ロミユニ

復職後も、身体に無理のない働き方を、会社がすごくよく見てくれているなと感じましたね。
最初は正社員で復帰したのですが、子どものアレルギーで食事の管理がふつうより手がかかることがわかってから、当時の店長に相談をして、契約社員として続けることになりました。

正社員より勤務時間が1時間短く、勤務日数も週休3日なので、子育てのペースがつかめるまでの間、体力的にも精神的にも、とても助けられました。

いちばん長く働いている職場へ

romi-unieに入って、ありがたいなと折々に感じるのが、ひとりひとりの性格や得意なことをろみさんはじめ、上の方々がすごく理解して、担当を割り振ってくださっているところです。

この5月から正社員に戻り、店長としてお仕事をさせていただくことになったのですが、今度は自分がスタッフのシフト管理や、ひとりひとりが仕事にやりがいを見つけられるよう、まとめていく立場になりました。
手元

毎日、むずかしいなと模索しています。
たとえ数年後、別の場所で働くことになったとしても、せっかくここで働いたからには、romi-unieで経験したことが次に活かせたと、思ってもらえるような働き方ができるといいな、と思っています。

イベントもそのひとつです。メゾンでは、春夏秋冬それぞれの季節にイベントをやっていますが、スタッフになって1年目は目の前の作業に追いつくだけで精一杯、2年目でイベントの全体像が理解できて、3年目でようやく段取りがつかめて、自分から動きやすくなります。

仕事のやりがいも同じようなペースで見つけていけるのかな、と感じています。

売り場
これまでは、店舗ごとにイベントを考えて開催してきたのですが、今年6月のレモンフェアから、イベントは鎌倉、学芸大学、八雲、Web Shopとすべての店舗で同時開催することになりました。

8月にはももフェア、アイスクリームの発売も一斉スタートで大好評でした。
ちなみにアイスクリームは、お客さまからジャムの食べ方を聞かれたときによくおすすめしていた組み合わせです。鎌倉で人気のジェラート店「GELATERIA SANTi(ジェラテリア サンティ)」さんと一緒につくった最新作です。

アイス

季節ごとにいろんなイベントもあって、新商品も毎回ハッとするものが登場して、1年経つのがあっという間です。産休をはさみましたが、私のなかでは、romi-unieがいちばん長く勤めている会社になりました。

正社員に復帰したばかりで、いまはペースを戻すのに少しバタバタしていますが、子どもも一人でできることが増えてきたので、これからも身体に無理なく続けていけそうです。